プレスリリース

ボーイング、民間航空機用のSAF調達量を倍増

シアトル発,  2023年2月15日 - ボーイングは、2023年に民間航空機部門が使用する持続可能な航空燃料 (SAF)の調達量を、前年比で2倍以上にすることを発表しました。

SAFは、民間航空機の製造に関わるフライト、エコデモンストレーターとよばれる飛行実験機、そしてボーイング機をお客様に納入する際のデリバリーフライトなどに使われます。

Boeing Doubles SAF Procurement for Commercial Airplanes

ボーイングは、エネルギー大手ネステ (Neste) が製造する混合SAFを2,120万リットル(560万ガロン)購入します。これは、ボーイングの昨年のSAF調達量の2倍以上の規模となります。

今回の調達合意には、「Neste MY Sustainable Aviation Fuel™」の供給が含まれます。Neste MY SAFとは、食用油、動物性脂肪廃棄物といった100%再生可能な廃棄物と原料残渣から製造された航空燃料で、厳しい持続可能性基準も満たしています。これを30対70の割合で従来のジェット燃料と混ぜて、混合SAFを製造します。

今後、ボーイングはEPIC FuelsとSignature Aviationの両社から870万リットル(230万ガロン)、Avfuel 社より114万リットル(30万ガロン)の混合SAFの供給を受け、それらをエコデモンストレーターの飛行試験プログラムやワシントン州およびサウスカロライナ州にあるボーイングの民間航空機部門施設で使用します。

また、EPIC FuelsとSignature Aviationの両社から混合SAFを1,136万リットル(300万ガロン)追加購入します。追加のSAFは、民間航空機のデリバリーフライト、ドリームリフター、エグゼクティブ・フライトなどで「ブック&クレーム方式」によるCO2排出量削減に使用されます。同方式は、生産者の認証油を証券化し、生産者と最終製品製造者・販売者との間で直接オンライン取引するモデルです。

ボーイングは2030年までにすべての民間航空機が100%SAFで飛行できることを目指しています。SAFは燃料ライフサイクルにおけるCO2排出量を80%削減します。その削減率は将来100%に達する見込みで、今後20〜30年間、航空業界の脱炭素化に最大限の可能性をもたらすと認識されています。

Boeing Doubles SAF Procurement for Commercial Airplanes

複数の原料からなるSAFは、商用飛行用の航空燃料として認定されており、その使用のために航空機、エンジン、または燃料供給インフラを改修する必要はありません。現在、従来のジェット燃料に対し最大50%のSAF混合比率が認められています。

SAFの実用化に向けたボーイングの主な取り組みは以下の通りです。

  • 2023年2月、ボーイングはSAFの適合性試験を可能にするSAFの標準液を開発したことを発表しました。100%SAFで飛行できる航空機を製造するボーイングの目標達成につながる重要な節目となりました。
  • 2019年、ボーイングは航空会社へのデリバリーフライトにSAFを使用するオプションの提供を開始しました。これにより、CO2排出量削減への取り組みを明示し、よりクリーンな航空燃料の使用を促進できます。
  • 2018年、ボーイングはフェデックスの協力のもと、エコデモンストレーターの貨物機777F両方のエンジンに100%SAF を使用し、世界初となる試験飛行を成功させました。
  • ボーイングは最初のSAF試験飛行を2008年に実施し、2011年にはSAFの商用利用の承認と2012年にはSAFを使用したデリバリーフライトを実現しました。

 

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