ボーイングと日本

ボーイングと日本

日本におけるボーイング

ボーイングは1953年(昭和28年)に日本に初めて拠点を構え、2023年には70周年を迎えました。この間、相互信頼の下に日本と強固な協力関係を築き上げ、今では業界最高のビジネスパートナーとして緊密な相互関係を維持しています。

ボーイング民間航空機部門は、日本の航空産業と1969年から密接な関係にあります。また防衛宇宙分野においても、1960年代から日本の業界の発展に協力し、相互に実りある関係を築いています。ボーイングは、日本の航空会社への最大の機材供給企業であり、防衛省の主要装備および航空機のサプライヤー、そして日本の航空宇宙業界の重要なパートナーとなっているのです。

2022年には、日本に研究開発拠点となるボーイング ジャパン リサーチセンターを開設しました。同センターは、オートメーション、電動化、複合材料、そして持続可能な航空燃料 (SAF) を含むサステナビリティに資する技術といった4つの重点分野の研究開発に取り組みます。日本政府、研究機関、大学及び様々な企業と連携しながら、ボーイングは持続可能な航空宇宙の実現を目指します。

ボーイングでは現在、エリック ジョンがボーイング ジャパンの社長を務め、日本における民間航空機、防衛・宇宙・セキュリティ、そしてサービス部門を統括しています。

パートナーとしての日本

日本企業はその技術力と高い信頼性により、767型機以降、ボーイングの航空機の生産分担比率を上げています(上図)。その数字は767型機で16%、777型機では21%に上っています。さらに、ボーイングと三菱重工、川崎重工、SUBARU(旧富士重工)の関係はとりわけ密接で、787ドリームライナーでは主翼をはじめとする機体の35%を3社が開発・製造しています。同型機ではまた、東レが主要構造部分の炭素繊維複合材料をボーイングと共同開発、ブリヂストンがタイヤを提供、ジャムコがラバトリーやギャレー、さらにフライトデッキのインテリアとドア、そしてバルクヘッドの生産を担当しています。

ボーイングにとって日本は、共同開発製造分野での米国外最大級の拠点であり、その関係は単なるパートナーの域を超えるほど強固なものにまで発展しています。

技術移転

航空機産業は自動車産業と比較すると約3倍の技術波及効果があり(社団法人日本航空宇宙工業会による推計)、世界の主要国は航空機産業を戦略産業として積極的に育成しています。日本もその例外ではなく、経済産業省が掲げる「産業構造ビジョン2010」において、戦略分野の一部として航空機と宇宙産業に対する集中的な支援が提言されています。ボーイングと日本企業各社は、これまでの協力関係を通じて互いの技術力にさらなる磨きをかけ、新たな市場の開拓につなげています。

日本の宇宙開発・防衛産業との関わり

日本の防衛と宇宙開発に貢献することは、ボーイングの事業において重要な位置を占めています。

日本は戦後の復興期以来、防衛力を整備するとともに、衛星打ち上げなどの宇宙開発も進めてきました。復興と高度経済成長の象徴となった1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは、世界で初めて競技が生中継されました。その映像信号の伝達に用いられたのは、ボーイングが開発・製造した静止衛星(シンコム3号)でした。

後に開花する防衛・宇宙産業での日本とのパートナーシップの基礎となった協力体制は、今日の宇宙航空研究開発機構(JAXA)との良好な関係に至るまで脈々と受け継がれています。

また日本政府は、1992年より政府専用機としてボーイング機を導入。航空自衛隊が運用し、要人や緊急時における在外邦人などの輸送、国際平和協力活動などに役立てています。日本政府は2014年、新たな政府専用機としてボーイング777-300ER型機を導入すると発表しました。こうした形で日本の政府と国民の皆様を支援できることは、ボーイングにとって大変名誉なことです。

ボーイング ジャパン株式会社

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